作品概要
ルイス・ブニュエル監督によるドラマ映画。
スタッフ・キャスト
- 公開
- 1950年
- 製作国
- メキシコ
- 監督
- ルイス・ブニュエル
- 脚本
- ルイス・アルコリサ、ルイス・ブニュエル
- 製作
- オスカル・ダンシヘルス
- 出演者
- エステラ・インダ、エルネスト・アロンソ
- 音楽
- ロドルフォ・アルフテル、グスタボ・ピッタルーガ
- 撮影
- ガブリエル・フィゲロア
- 編集
- カルロス・サバヘ
感想・レビュー(ネタバレあり)
貧民街に生きる不良少年たちや彼らを取り巻く大人たちを描いた作品。85分という短い作品時間ながら、少年たちによる目を背けたくなるような蛮行や救いのない末路、幾重にも重なり合う群像劇には大いに心を惹きつけられる。1950年の作品ということなので、1940年代からすでに現代作品と同等かそれ以上の重厚なドラマ作品が作られていたことを考えると、モノクロ時代の古い作品だからといって何が出てきても驚いてはいけない。しかし唐突に挿入される幻想的な夢のイメージシーンのインパクトには目を見張るものがあった。青年ハイボの獣のような性欲や、少女メーチェのエロティックな艶めかしい生脚の表現が面白い。人物がカメラに近づいてきて視界を覆い場面が変わる演出や、カメラの方向に向かって卵を投げつけて割れる様子を見せる演出など仕掛け的な手法が見られる。脚本のラストは上手くまとめられなかったのか、メーチェの祖父が納屋での出来事を隠蔽しようとする台本になっていて、これにはちょっと無理があるのでそこだけが惜しい。