作品概要
細田守監督、マッドハウス制作のSFアニメ。ネット上の仮想空間OZ(オズ)がハッキングされ、危険にさらされた現実世界を救うために立ち上がった健二と夏希の親族たちの奮闘を描く。
スタッフ・キャスト
- 公開
- 2009年
- 監督
- 細田守
- 脚本
- 奥寺佐渡子
- キャラクターデザイン
- 貞本義行
- メカニックデザイン
- アバターデザイン - 岡崎能士、OZデザイン - 上條安里
- 出演者
- 小磯健二:神木隆之介、篠原夏希:桜庭ななみ、陣内 栄:富司純子、池沢佳主馬:谷村美月、陣内侘助:斎藤 歩、佐久間 敬:横川貴大
- 音楽
- 松本晃彦
- アニメーション制作
- マッドハウス
- 製作
- 高橋望、伊藤卓哉、渡辺隆史、齋藤優一郎
- 製作総指揮
- 奥田誠治
感想・レビュー(ネタバレあり)
仮想空間OZのビジュアルのユニークさでは視覚的に楽しませてくれるし、作品後半にはいくつか物語の山場もあって、ティーンやキッズ向けエンターテイメント作品としては上手くまとまっている。ただし、クライマックスにかけて一気に盛り上げていくのではなく、ラクダのコブのように山と谷を繰り返すのでテンポはあまり良くない。
災害があっても死人が出ないようなぬるい台本や、大雑把すぎるIT考証などはそういう作品として割り切れば見られなくはない。
また、冷や汗や赤面など古い漫符のような表現が多いが、演出が統一されているので問題はないか。泣き顔をしつこく描くなど日本のアニメにありがちなあざとさが鼻につく部分もある。
吹き替えは俳優を多く使っているためか、それに合わせて本業声優たちに違和感が出ないような自然な演技をさせているところに演技指導の努力が見られる。
ポスターなどによく使われている作品イメージ画の中央にはヒロイン・夏希が大きく据えられているが、実際には物語の最後のほうまで彼女の見せ場が無いので、女性キャラでイメージを先行していくプロモーションに小ずるさを感じる。