作品概要
支倉凍砂のライトノベルを原作とする高橋丈夫監督によるIMAGIN制作のファンタジーアニメ。
スタッフ・キャスト
- 公開
- 2008年
- 原作
- 支倉凍砂
- 監督
- 高橋丈夫
- 脚本
- 荒川稔久
- キャラクターデザイン
- 黒田和也
- 出演者
- ホロ:小清水亜美、ロレンス:福山 潤、クロエ:名塚佳織、ノーラ:中原麻衣
- 音楽
- 吉野裕司
- アニメーション制作
- IMAGIN
感想・レビュー(ネタバレあり)
賢狼ホロの愛らしい声とキャラクター
小悪魔的な性格のホロ(小清水亜美)が愛らしく描けているのが良い。声優の貢献度が高く、作品のクオリティーにまで影響を及ぼしている。ロレンスに感情移入してホロと旅をしているような気分で作品を観た男性視聴者は少なくなかったんじゃないだろうか。それだけに、ホロが狼の化身であることはロレンスとふたりだけの秘密にして欲しかった気もする。
ファンタジーと現実との境界が曖昧
ホロが狼であること以外は普通の世界の話なので、人々がホロが狼の化身であることを知ったときに、その事実を認める呑み込みの早さにはリアリティーを求められ、制作者(または原作者)の腕が問われることになる。
ホロとロレンスふたりの会話がもどかしいところも
ロレンスに感情移入した場合、彼の考え方に共感できない部分があったときにもどかしいと感じることになる。それでも彼は特別に伝統的な主人公の枠をはずれた性格をしているわけではないので、ホロの台詞によりやたらと「お人好し」が強調されていたことには違和感を覚えた。
商売の駆け引きの会話が分かりにくい
商売の駆け引きの物語が難しくて、ホロが捕まったときのロレンスとマールハイトの会話の意味がよく分からなかった。原作は未読だが、ゆっくり読める小説とは違うアニメの場合は、視聴者に対してもう少し分かりやすくていねいに順を追って説明したほうが良かったんじゃないだろうか。話の内容をすべて理解できたわけではないので、もし話の運びが台本に都合良く進んでいて粗があったとしても上手く指摘できない。
音楽は良いが作画は安定せず
ついスキップ機能で早送りせずに聴いてしまうオープニング曲とエンディング曲が良い。また、劇中音楽は作品の雰囲気作りに大きく貢献していた。ただし、台詞の音量の起伏に対して音量が大きかった気がする。
作画は安定していなくて、顔のアップは良いとしても少し引きの画(え)になった段階でもうすでにその品質があやうい。