ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜

評価
★★★☆☆ 3
公開
2017

作品概要

神山健治原作・脚本・監督によるファンタジーアニメ映画。

スタッフ・キャスト

公開
2017年
原作
神山健治
監督
神山健治
脚本
神山健治
キャラクターデザイン
佐々木敦子
メカニックデザイン
清水洋、伊津野妙子
出演者
高畑充希、満島真之介、古田新太、釘宮理恵、高木渉、前野朋哉、清水理沙、高橋英樹、江口洋介
音楽
下村陽子
製作
岩佐直樹、櫻井圭記
製作総指揮
門屋大輔、高橋望、森下勝司

感想・レビュー(ネタバレあり)

眠ると夢の中のファンタジー世界に没入する少女ココネが現実との間を行ったり来たりしながら、父親が抱える問題の謎を解明していき、家族との絆を取り戻す物語を描く。

プロットや物語の整合性を重視するのではなくて、シーンのひとつひとつが与えていく印象を観客に紡がせることによって心を揺さぶろうという意図が伺える雰囲気重視の作品。作画と編集、音楽などによって、作り手が目指している作品テイストをしっかりと実現できている。しかし、物語や絵には他の作品で観たことのあるような場面も多く、新鮮な刺激を多く与えてくれるという訳にはいかなかったようだ。

冒頭に夢の中の世界が提示されるが、子供にも分かりやすくしなければいけないのか、モノローグによる説明が入ってしまって謎めいた深みを感じさせない。夢の中の物語はあとになっても煮詰まっていくわけではなく中途半端のまま放置されてしまう。ただし、この夢には大きなミスリードが隠されており、作品半ばでその真相が明かされたときに観客の涙を誘う。

絵はすみずみまで丁寧に描かれていて美麗。ただし、少女が走るというようなアニメ作家の技術試しのような無駄なシーンも多い。キャラクターデザインは悪くはないが、主人公ココネだけは顔の表情が希薄で描き切れていない印象がある。

ココネ(高畑充希)は声にハリがなく演技も平坦。主人公なので台詞が多いため作品全体の質を下げてしまっている。音楽や音響は悪くなかったが、エンディングテーマ曲「デイ・ドリーム・ビリーバー」の選曲がありきたり。本作を最後まで見通すと、物語の毒気の無さも相まって自動車会社のプロモーションビデオのように観えてきてしまう。

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