白蛇伝

評価
★★★☆☆ 3
公開
1958

作品概要

藪下泰司演出、東映動画(現・東映アニメーション)製作によるファンタジーアニメ。

スタッフ・キャスト

公開
1958年
監督
藪下泰司
脚本
藪下泰司
出演者
森繁久彌、宮城まり子
音楽
木下忠司
製作
大川博

感想・レビュー(ネタバレあり)

「日本初の長編カラーアニメ」作品。東映がアニメ制作環境から作り上げていく舞台裏にはかなりの苦労があったらしく、概要を知るだけでも長編映画作品並みの物語があったことが想像できる(映像化されるのならぜひ観てみたい)。

作品は中国の昔話を題材にしており、美しい女に姿を変えた白蛇の妖精と、人間の男との恋物語が描かれている。古典的な物語とはいえ、60年も前のアニメ作品で「動物が擬人化した美少女(=しろへびのフレンズ)」を扱っているところが興味深い。

アニメーションは先駆的な作品としてはよく作り込まれている。元ネタがあるのかも知れないが、白蛇のバイニャンが妖術で造り上げた屋敷を門から覗いたカットが、いくつかの絵をずらして立体感を演出するパララックス効果を使っていて目を見張る映像になっている。パンダの喧嘩シーンや青魚の精シャオチンと魚たちによる遊泳シーンなど、ディズニーやトムとジェリーを彷彿とさせるような活発で楽しいアニメーション映像も観ることができる。

脚本はキャラクター同士のコミュニケーションが希薄で行き違いが多いことから、だいぶまどろっこしくて、間延びした映像も相まって眠気を誘ってくる。しかし、物語に題材があるせいなのか、古い子供向け作品にしては脇役たちが丁寧に描かれているところが良い。シャオチンやパンダ、レッサーパンダのミミィそれぞれに見せ場が用意されており、シャオチンに至っては主役ふたりの物語が一段落したあとにもしっかりと単独のラストシーンが用意されている。

音楽と音楽の使い方が良くて、劇中のほとんどのシーンでBGMが流れており、音楽で作品をコントロールしようという意図が伺える。声優は森繁久彌、宮城まり子の二人のみですべての吹き替えを行ったということらしく、その労力は評価したい。しかし、キャラクターそれぞれに声優を用意できたのなら、もっと作品は良くなったのだろうと思わないこともない。本作の吹き替えもこれはこれと思えば味があって良いが。