複製された男

評価
★★★☆☆ 3
公開
2014
製作国
カナダ・スペイン

作品概要

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によるサスペンス・スリラー映画。

スタッフ・キャスト

公開
2014年
製作国
カナダ・スペイン
監督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本
ハビエル・グヨン
原作
『複製された男』 ジョゼ・サラマーゴ
製作
ニブ・フィッチマン、M・A・ファウラ
製作総指揮
フランソワ・イベルネル、キャメロン・マクラッケン、マーク・スローン、ヴィクター・ロウイ
出演者
ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニ
音楽
ダニー・ベンジー、ソーンダー・ジュリアーンズ
撮影
ニコラ・ボルデュク
編集
マシュー・ハンナム

感想・レビュー(ネタバレあり)

自分と瓜二つの人間の存在を知り、その謎に足を踏み入れた男が、恋人や相手の妻をも巻き込んでいくサスペンスの中に、クモや鍵などのメタファーを散りばめることで、身重の妻を持った男の不貞への葛藤と心理の変化を描いていく。映像からテーマを汲み取ることが非常に難解な作品で、作品への解釈をネットの解説に頼ることになった観客も多いのではないだろうか。

作品冒頭はケレン味の効いた秘密クラブの謎めいた映像で始まって、主人公がもう一人の自分を見つけ出してからはその謎をどんどん深めていくことになるが、終盤はあくまで男女の”寝取り合戦”という小さな人間ドラマに収束していってしまい、表面的な物語そのものは小品という印象を拭えない。しかし、大きくなかったであろう予算の中で、原作があるとはいえアイデアを駆使したサスペンスを観せてくれるところが、こういった作品の醍醐味でもあるか。本作のような仕掛けに終始した小品にありがちだが、女優の美しさで観客を惹き付けるやり方は少しずるい気がしてしまう。

マンションの俯瞰を映したカットや、人物の表情をじっくり撮った撮影が印象深い。あからさまに不安を煽る音楽は、スコアはまだしも弦楽器を使用する旧来の映画音楽的な手法が少し古くさく感じる部分もある。ジェイク・ギレンホールは難しい役柄を見事に演じ切っている。サラ・ガドンはカナダの女優のようだが、演技は良くて美しい妻役として存在感を示している。

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